監修医師
理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)/医療法人佑諒会(千里中央・江坂・箕面 花ふさ皮ふ科・美容皮膚科)
[資格]医学博士(大阪大学大学院)/日本皮膚科学会皮膚科専門医/日本アレルギー学会アレルギー専門医/日本抗加齢医学会専門医
[所属学会]日本皮膚科学会/日本アレルギー学会/日本美容皮膚科学会 等
公開日:2026年10月29日/最終更新日:2026年10月29日
結論:ヒゲ脱毛後の毛嚢炎(毛のう炎)は、レーザーで一時的に弱った毛穴に皮膚の常在菌が入り込んで起こる炎症です。数個の赤いブツブツなら清潔と保湿で数日〜1週間ほどで落ち着きますが、膿を持つ・数が増える・痛みが強い場合は皮膚科で抗菌薬の治療が必要です。ニキビと似ていますが原因も対処も異なります。

「照射した数日後からあご下に赤いブツブツが出た」「膿を持ったニキビのようなものが増えてひどい」。ヒゲ脱毛でよくいただく肌トラブルのご相談が毛嚢炎です。この記事では、毛嚢炎が起きる仕組み、起きやすい人と部位、軽症からひどい状態までの段階別の対処、皮膚科で行う治療、ニキビとの見分け方、そして次の照射を受けてよいかどうかを、千里中央・江坂駅前・みのおの3院で男性の脱毛を行っている当グループの皮膚科専門医(監修)の立場から解説します。
- 毛嚢炎は毛穴の中の炎症。レーザー後に皮膚のバリアが弱り、黄色ブドウ球菌などの常在菌が毛穴に入って起こります。
- 照射後2〜7日に、あご下・首・フェイスラインに出ることが多く、脂性肌・深剃りの習慣がある方に起きやすい傾向があります。
- 軽症(赤いブツブツが数個)は触らず、清潔と保湿で経過をみます。膿・痛み・数の増加があれば皮膚科で外用抗菌薬、広がれば内服抗菌薬を使います。
- つぶす・毛抜きで抜く・ニキビ用の市販薬を塗り続けるのは悪化や色素沈着の原因になります。
- 炎症が残っている間は次回の照射を延期します。皮膚科併設の当グループでは、脱毛の経過を診ている同じ院で診察・処方まで行えます。
ヒゲ脱毛後の毛嚢炎とは(起こる仕組み)
毛嚢炎(毛のう炎・毛包炎)は、毛穴の奥にある毛包という袋の中で起こる炎症です。皮膚の表面には黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌といった常在菌がふだんから住んでいますが、健康な皮膚ではバリア機能が働き、毛穴の中まで菌が入り込むことはほとんどありません。
医療レーザー脱毛は、毛のメラニンに熱を集めて毛を作る組織にダメージを与える治療です。このとき毛穴の周囲も熱を受け、照射後しばらくは次のような状態になります。
- 角層のバリア機能が一時的に低下し、皮膚が乾燥して菌が侵入しやすくなる。
- 熱で変性した毛が毛穴に残り(いわゆる泥棒ヒゲ)、毛穴の出口が詰まりやすくなる。
- 毛包のまわりに軽い炎症が起き、皮脂や汗がたまりやすくなる。
この「バリアが弱い・毛穴が詰まる・炎症がある」という条件がそろったところに常在菌が増えると、毛穴が赤く盛り上がり、進むと白い膿を持ちます。これがヒゲ脱毛後の毛嚢炎です。照射そのものが菌を持ち込むわけではなく、もともと皮膚にいる菌が一時的に優勢になることで起こるため、どの機器でも一定の頻度で起こりうる反応です。
毛嚢炎が起きやすい人・部位
一般に、毛嚢炎は次のような方・部位に出やすい傾向があります。
| 起きやすい条件 | 理由 |
|---|---|
| あご下・首・フェイスライン | 毛が太く密で、襟や汗で蒸れやすい。照射の熱もこもりやすい |
| 脂性肌・毛穴の詰まりやすい肌質 | 皮脂が多いと毛穴の出口が塞がれ、菌が増えやすい。もともとニキビができやすい方も同様 |
| T字カミソリで深剃りする習慣 | 角層を削って微小な傷を作り、菌の入り口になる。照射前日の剃毛で傷を作ると特に起きやすい |
| 照射後に汗をかく・こする | 運動・サウナ・入浴での発汗や、タオルでの摩擦が炎症を悪化させる |
| 乾燥肌・アトピー素因 | もともとバリア機能が低く、照射後の乾燥でさらに弱る |
毛嚢炎は体質と片付けられがちですが、剃り方・汗・保湿といった生活側の要因が大きく、対策で頻度を下げられるトラブルです。
軽症からひどい時までの段階別の対処
段階ごとに「自分でやること」と「受診の目安」を整理します。
| 段階 | 見た目 | 対処 |
|---|---|---|
| 軽症 | 赤いブツブツが数個。かゆみや軽い痛みのみ。膿はない | 触らない・つぶさない。朝晩の洗顔と低刺激の保湿剤。数日〜1週間で自然に引くことが多い |
| 中等症 | 白い膿を持つものが混じる。数が増えてきた。押すと痛い | 皮膚科を受診。外用抗菌薬を処方。剃毛は電気シェーバーで患部を避けて |
| ひどい状態 | あご下から首にかけて広範囲。大きく腫れて熱を持つ。しこりになっている。1週間以上続く | 早めに皮膚科へ。内服抗菌薬を併用。大きな膿のたまりは切開して排膿することもある。次回照射は延期 |
やってはいけないこと
- 指や針でつぶす。膿を出せば早く治ると考える方が多いのですが、炎症を周囲に広げ、色素沈着や小さな瘢痕を残す最大の原因です。
- 毛抜きで毛を抜く。毛穴を傷つけて炎症を深くします。泥棒ヒゲの黒い点も抜かず、自然に抜け落ちるのを待ってください。
- 市販のニキビ薬を自己判断で塗り続ける。ニキビ用の外用薬は毛嚢炎を目的とした薬ではなく、刺激で赤みが長引くことがあります。
皮膚科で行う毛嚢炎の治療
毛嚢炎は細菌感染を伴う炎症なので、治療の中心は抗菌薬です。皮膚科では範囲と深さを診て次のように使い分けます。
- 外用抗菌薬。数が少なく浅いものには、抗菌成分を含む塗り薬を1日1〜2回、患部に塗ります。多くは1週間前後で落ち着きます。
- 内服抗菌薬。数が多い・範囲が広い・腫れが強い場合は、飲み薬の抗菌薬を数日〜1週間程度併用します。
- 排膿処置。大きく膿がたまって痛い場合は、清潔な環境で小さく切開して膿を出すことがあります。自分でつぶすのとは異なり、周囲に炎症を広げないよう処置します。
抗菌薬は医師の診察のうえで処方する薬です。当グループは皮膚科・美容皮膚科併設のため、脱毛の照射記録を見ながら同じ院で診察し、その場で処方まで行えます。どの部位をどの出力で照射したかが分かっている状態で診られることは、原因の判断と次回の照射設定の調整にもつながります。
ニキビとの見分け方
「ヒゲ脱毛でニキビができた」というご相談の多くは、実際には毛嚢炎です。見た目は似ていますが、原因となる菌も対処も異なるため、見分けが必要です。
| 毛嚢炎 | ニキビ(尋常性ざ瘡) | |
|---|---|---|
| 主な原因 | 黄色ブドウ球菌などの常在菌が毛穴に感染 | 皮脂の過剰と毛穴の角化異常にアクネ菌が関与 |
| 出る時期 | 照射後2〜7日にまとめて出る | 照射と関係なく、慢性的に繰り返す |
| 出る場所 | あご下・首など照射した範囲に一致 | おでこ・鼻・頬・あごなど皮脂の多い部位 |
| 見た目 | 毛穴の中心に毛があり、赤い輪の中央に白い膿。大きさがそろっている | 白ニキビ・黒ニキビ(コメド)が混在し、赤ニキビへ進む |
| 治療 | 抗菌薬(外用・内服) | 過酸化ベンゾイル・アダパレンなどニキビ治療薬 |
見分けのポイントは「照射した範囲に、照射後数日でそろって出たかどうか」です。もともとニキビができやすい方は、脱毛前にニキビの治療を進めておくと、照射後の毛嚢炎も起きにくくなります。ニキビそのものの治療については男性の大人ニキビの記事で解説しています。カミソリ負けや埋没毛が混在することもあり、自己判断がつかない場合は診察でご確認ください。
毛嚢炎に見えて「やけど(火傷)」のこともある
照射後の赤いブツブツは、毛嚢炎ではなくレーザーによる軽いやけど(火傷。医学的には熱傷)のことがあります。ヒゲ脱毛後のやけどは毛嚢炎と対処が逆になるので、次の点で見分けてください。
| 毛嚢炎 | やけど | |
|---|---|---|
| 出る時期 | 照射後2〜7日ごろから | 照射当日〜翌日 |
| 形・分布 | 毛穴ごとに点々と。中心に膿を持つことがある | 照射した範囲に一致して面状・帯状。毛穴と無関係に広がることが多いが、毛穴に一致していることもある |
| 症状 | かゆみ・押すと痛い | ヒリヒリした痛み、熱感、水ぶくれ・皮むけ |
| 経過 | 数日〜1週間で落ち着く | 数日で茶色く色素沈着することがある |
やけどが疑われるときは、自己判断で抗菌薬を塗らず、まず清潔な状態で冷やし、早めに受診してください。やけどの治療は毛嚢炎と違って抗菌薬ではなく、炎症を抑えるステロイド外用薬が中心になります(医師の診察のうえで処方します)。毛嚢炎と思い込んで抗菌薬だけを塗り続けると、炎症が長引いて炎症後色素沈着(茶色い跡)が残りやすくなります。日焼けした肌、乾燥した肌、出力を上げた照射のあとに起こりやすく、次回の照射前には出力や冷却の設定を見直す必要があります。見分けの詳細は「ヒゲ脱毛で肌荒れ・赤みは出る?」の鑑別表でも解説しています。
予防と次回の照射を受けてよいかの判断
毛嚢炎を予防するために
- 剃毛は電気シェーバーで。照射前日の剃毛も、照射後の剃毛も、角層を削るT字カミソリの深剃りは避けてください。
- 照射当日は汗をかかない。運動・サウナ・長湯は避け、シャワーで済ませます。首まわりは汗が残りやすいので、やさしく拭き取ってください。
- 保湿を続ける。照射後の乾燥がバリア低下の主因です。低刺激の保湿剤を朝晩使い、首まで塗ります。
- こすらない・触らない。タオルで押さえるように拭き、無意識に手で触る癖に注意します。
- 襟・マスクの摩擦を減らし、日焼け止めを塗る。摩擦はフェイスライン・首の毛嚢炎を誘発し、日焼けは炎症後の色素沈着を濃くします。
次回の照射は受けてよい?
毛嚢炎がすっかり引いていれば、次回の照射は通常どおり受けられます。一方、赤み・膿・しこりが残っている状態で照射すると、炎症のある皮膚に熱が加わって悪化や色素沈着につながるため、その範囲は照射を避けるか、日程を延期します。延期しても毛周期の面で効果が落ちることは基本的にありません。照射の間隔の考え方はヒゲ脱毛の間隔の記事をご覧ください。
毛嚢炎を繰り返す方には、照射の出力や冷却の設定を見直す、泥棒ヒゲが出にくくなる回数まで間隔を調整する、ニキビの治療を先に進めるといった対応を検討します。ヒゲ脱毛で後悔しないためのトラブル全般はヒゲ脱毛で後悔する理由にまとめています。
料金と使用機器
ヒゲ脱毛 コースメニュー(税込)
| コース(施術範囲) | お試し3回 | 5回 | 8回 | 10回 |
|---|---|---|---|---|
| スタンダード (口周り〈鼻下〉+顎+顎下) |
16,500円 | 44,000円 | ― | ― |
| スタンダードプラス (口周り〈鼻下〉+顎+顎下+もみあげまたは頬) |
33,000円 | 66,000円 | 99,000円 | 115,500円 |
| プレミアム (口周り〈鼻下〉+顎+顎下+もみあげ+頬) |
55,000円 | 110,000円 | 165,000円 | 192,500円 |
鼻下・両頬・もみあげ・あご・あご下といった部位ごとの単品メニューは、各院のページに掲載しています。
ニードル脱毛(江坂駅前院・みのお院)
江坂駅前
| 項目 | 価格 |
|---|---|
| 20本(顔・体/VIO以外) | 11,000円 |
| 針代(初回のみ) | 5,500円 |
| 初回採血・感染症検査 | 5,500円 |
みのお
| 項目 | 価格 |
|---|---|
| 30分保証 | 11,000円 |
| 針代 | 5,500円 |
| 採血代 | 5,500円 |
※ニードル脱毛は医療用の針を使う施術のため、初回は施術前に血液検査(B型肝炎・C型肝炎・梅毒)を行います。
※針は患者さまごとに専用のものをご購入いただきます。摩耗や変形がある場合は、1年以内でも買い替えが必要になります。部位や毛質によって針を使い分けるため、2本以上必要になることもあります。
脱毛以外にかかる費用(税込)
| 項目 | 千里中央 | 江坂駅前 | みのお |
|---|---|---|---|
| 初回カウンセリング料 | 1,100円 | 1,100円 | 1,100円 |
| 再診料(自由診療) | 1,100円 | 1,100円 | 1,100円 |
| 麻酔クリーム | ご自身で塗布 1,650円 看護師が塗布 2,200円 |
ご自身で塗布 1,650円 看護師が塗布 2,200円 |
ご自身で塗布 1,650円 看護師が塗布 2,200円 |
| 剃毛料金(1部位) | 5,500円 | 5,500円 | 5,500円 |
※剃毛は、施術当日までにご自身で行っていただくようお願いしています。当院での剃毛をご希望の場合に発生します。
※料金と回数の考え方はヒゲ医療脱毛の料金相場と回数でも解説しています。
※料金は改定される場合がありますので、最新の情報は各院にご確認ください。
使用機器
院によって導入している機器が違います。毛の濃さや肌の状態を見て、どれを使うかを決めます。
| 院 | 使用機器 |
|---|---|
| 千里中央 | ジェントルマックスプロプラス |
| 江坂駅前 | ジェントルマックスプロプラス/ソプラノチタニウム/ニードル脱毛 |
| みのお | スプレンダーX/ニードル脱毛 |
使用機器の承認状況について
江坂駅前院で使用しているソプラノチタニウムは、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認の医療機器です。
| 入手経路 | 医師の判断の下、国内正規代理店を通して輸入手続きを行ったものです。 |
|---|---|
| 国内の承認機器の有無 | あり。キャンデラ社のジェントルマックスプロ等が承認されています。 |
| 諸外国における安全性 | 米国FDAの承認を取得しています。諸外国で重篤な安全性情報に関する報告はありません。 |
| 医薬品副作用被害救済制度 | 万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。 |
よくあるご質問(FAQ)
ヒゲ脱毛後の毛嚢炎は何日で治りますか?
数個の軽いものは、触らず清潔と保湿を続ければ数日〜1週間ほどで落ち着くことが多いです。膿を持つものや数が多いものは、抗菌薬を使っても1〜2週間かかることがあります。1週間以上変わらない・広がる場合は受診してください。
毛嚢炎がひどいのですが、脱毛は中止すべきですか?
中止ではなく、炎症が引くまで次回を延期するのが基本です。治ったあとに照射設定や剃毛の方法を見直すことで、以降は起きにくくなる方が多くいらっしゃいます。繰り返す場合は診察で原因を確認します。
毛嚢炎の跡は残りますか?
つぶさず早めに治療すれば、跡が残りにくくなります。つぶしたり長引いたりすると、茶色い色素沈着や小さなへこみが残ることがあります。残った場合も日焼け止めと外用薬で経過をみますので、ご相談ください。
毛嚢炎の診察は脱毛と同じ院で受けられますか?
はい。当グループの3院はいずれも皮膚科・美容皮膚科併設のため、脱毛の経過を診ている同じ院で診察し、抗菌薬の処方まで行えます。
赤いブツブツが毛嚢炎かやけど(火傷)か分かりません。
照射当日から出てヒリヒリする・水ぶくれがある・照射範囲に沿って面で広がる場合はやけどの可能性があります。毛嚢炎は数日後から毛穴ごとに点々と出て、かゆみや押したときの痛みが中心です。自己判断で薬を塗らず、写真を撮って早めに受診してください。やけどであれば抗菌薬ではなくステロイド外用薬で治療します。
- 日本皮膚科学会・日本美容皮膚科学会・日本形成外科学会ほか. 美容医療診療指針(令和3年度改訂版)「第5章 脱毛治療」. 2022.
- 日本皮膚科学会. 尋常性痤瘡治療ガイドライン2017. 日本皮膚科学会雑誌. 2017;127(6):1261-1302.
- Lim SP, Lanigan SW. A review of the adverse effects of laser hair removal. Lasers Med Sci. 2006;21(3):121-125.
- Gan SD, Graber EM. Laser hair removal: a review. Dermatol Surg. 2013;39(6):823-838.
- 厚生労働省. 医療広告ガイドライン.
脱毛後の毛嚢炎も花ふさ皮ふ科・美容皮膚科で診察できます
ヒゲ脱毛後の毛嚢炎は、起きやすい部位と条件がはっきりしており、早い段階で対処すれば跡を残さず落ち着くトラブルです。「赤いブツブツが増えてきた」「膿を持って痛い」「ニキビなのか毛嚢炎なのか分からない」。いずれも診察で区別がつきますので、つぶしたり自己判断で薬を塗り続けたりせず、ご相談ください。ヒゲ脱毛のコース・料金はメンズヒゲ脱毛のページをご覧ください。
| 院 | 主な対応エリア | アクセス | 麻酔 |
|---|---|---|---|
| 千里中央 | 豊中・茨木・北摂エリア | 千里中央駅徒歩5分/クリニックモール共用駐車場9台・別に当院美容皮膚科専用駐車場あり(電話でお問い合わせ下さい) | 麻酔クリーム/笑気麻酔/ブロック注射 |
| 江坂駅前 | 吹田・新大阪方面 | 江坂駅徒歩1分 | 麻酔クリーム |
| みのお | 箕面・池田・川西 | 箕面萱野駅直結/みのおキューズモール内/駐車場1800台 | 麻酔クリーム |
